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リシュラ:広島発、思い出を紡ぐ子ども服リユースの30年
リシュラ:広島発、思い出を紡ぐ子ども服リユースの30年
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リシュラ:広島発、思い出を紡ぐ子ども服リユースの30年

Author

Sarah Richards

Published Aug 31, 2026

広島市西区の静かな街角に、子どもたちの思い出を大切にする企業がある。リシュラ株式会社だ。1993年に産声を上げたこの会社は、単なる子ども服のリユースショップではない。手作り雑貨、リメイクサービス、ワークショップを通じて、家族の記憶を形にする場所として30年以上にわたり地域に根付いてきた。

リシュラは子ども服・ベビーファッションのリユース、リペア・リメイク販売を中心に、布・紙・木などの自然素材を使った手作り商品の企画・制作・販売を手掛ける日本企業である。2004年に独立法人化し、現在は複数のオンラインショップと実店舗を運営。環境への配慮と「思い出づくり」というコンセプトを軸に、持続可能なファッションビジネスを展開している。

項目 詳細
社名 株式会社リシュラ(Lisur Co., Ltd.)
設立 2004年(活動開始は1993年)
本社所在地 広島市西区
代表取締役 浜口緑
主要事業 子ども服リユース、手作り雑貨、リメイクサービス
主要ブランド リシュラ、リシュマム、リシュリシュ、リシュルル、ループケア
受賞歴 グッドデザイン賞(ループケアサービス)

ハーストリーから独立へ:創業の軌跡

リシュラの歴史は1993年、ハーストリーという企業の子ども古着部門として始まった。当時、日本ではまだ子ども服のリユース市場が未成熟だった。成長期の子どもたちが着る期間は短い。それなのに廃棄されるのはもったいない。そんな思いが事業の出発点だった。

11年間の準備期間を経て、2004年に株式会社リシュラとして独立。創業者であり現代表取締役の浜口緑氏は、「思い出づくり」という明確なビジョンを掲げた。子ども服は単なる衣類ではない。初めての遠足、運動会、家族旅行。それぞれの服には家族の記憶が染み込んでいる。

広島市西区に展開する子ども服専門店の外観イメージ

社名「リシュラ」の由来も興味深い。フランス南部プロヴァンス地方にある美しい村「リール・シュー・ラ・ソルグ(L'Isle-sur-la-Sorgue)」を略したものだ。この村は古い建物と水路が調和する歴史的な場所として知られる。長い歴史と温もり、そして人々の共感を大切にしたいという願いが込められている。

5つのブランドが織りなす多様なサービス

リシュラは単一ブランドではない。顧客のニーズに応じた5つのブランドを展開している。

リシュラ:子ども服リユースの本流

メインブランドである「リシュラ」は子ども服を中心とした古着リユース事業を担う。サイズアウトした服を買い取り、丁寧にクリーニング・検品した上で次の家族へ。価格は新品の半額以下が基本だが、状態の良いブランド品も多数取り揃える。

リシュマム:ベビー&ママへの贈り物

出産祝いや内祝いに特化したのが「リシュマム」。オーガニックコットンのベビー服、木製玩具、手作りのスタイやおくるみなど、安心安全な素材にこだわった商品を提案する。ギフトラッピングサービスも充実しており、遠方への発送にも対応。

リシュリシュ:一点ものの手仕事

「リシュリシュ」は手作り雑貨とプレゼント商品に特化。布製のポーチ、刺繍入りのハンカチ、木彫りの名前プレート。すべて職人や地域のクラフト作家による一点もの。大量生産では得られない温もりがここにある。

リシュルル:女の子のファッション専門店

女の子向けファッションに特化した「リシュルル」。フリルのワンピース、リボン付きのヘアアクセサリー、カラフルなレギンス。おしゃれに目覚め始める年頃の女の子たちの心をつかんでいる。

ループケア:思い出を再生する技術

最も注目すべきは「ループケア」だ。このサービスはグッドデザイン賞を受賞している。着られなくなった子ども服を、別の形に生まれ変わらせる。Tシャツがクッションカバーに。ベビー服がぬいぐるみに。思い出の服を手放さずに、新しい形で家族のそばに置いておける。

思い出の子ども服をリメイクしたクッションや雑貨

環境配慮と経済性の両立

リシュラのビジネスモデルは環境問題への回答でもある。日本では年間約100万トンの衣類が廃棄されている。その多くが焼却処分だ。子ども服は特に着用期間が短く、廃棄率が高い。

リユースはこの問題に直接アプローチする。一着の服が2人、3人と受け継がれることで、新たに生産される服の量を減らせる。染色や縫製に使われる水資源、輸送にかかるCO2排出量も削減できる。

同時に、家計への負担も軽減する。子育て世帯にとって衣類費は無視できない出費だ。成長期の子どもは半年でサイズアウトすることも珍しくない。リシュラの服なら、新品の30〜50%の価格で質の高い服が手に入る。浮いた費用を教育費や体験活動に回せる。

自然素材へのこだわりと手仕事の価値

リシュラが大切にしているのは素材の質だ。布、紙、木といった自然素材を優先的に使用する。化学繊維や合成樹脂を完全に排除するわけではないが、子どもの肌に直接触れるものは天然素材が基本。

オーガニックコットンは農薬を使わずに栽培される。肌が敏感な赤ちゃんにも安心だ。木製玩具は角を丁寧に削り、塗料も食品衛生基準をクリアしたものを選ぶ。こうした配慮は、単なる商品選定ではなく、企業の姿勢を表している。

手仕事の価値も重視する。機械による大量生産は効率的だが、画一的になりがちだ。リシュラの手作り商品には、作り手の個性と想いが込められている。刺繍の一針一針に、木彫りの一削り一削りに、職人の技が光る。

オーガニックコットンを使用したベビー服と自然素材の雑貨

ワークショップで育む創造性

リシュラは販売だけでなく、子ども向けワークショップや手作り教室も開催している。親子で参加できるこれらのイベントは、単なる体験活動ではない。創造性を育み、ものづくりの楽しさを伝える場だ。

布を使ったポーチ作り。フェルトでつくる動物のマスコット。木材を使った小物入れ。講師が丁寧に教えてくれるので、初心者でも安心して参加できる。子どもたちは自分の手で何かを作り上げる達成感を味わう。

こうした活動は、消費者を育てるという意味も持つ。既製品を買うだけでなく、自分で作る選択肢があることを知る。修理やリメイクという発想が生まれる。使い捨て文化への小さな抵抗だ。

オンラインと実店舗の融合戦略

リシュラは広島市内に複数の実店舗を構える一方で、オンライン販売にも注力している。5つのブランドそれぞれにオンラインショップがあり、全国どこからでも注文できる。

実店舗の強みは体験だ。実際に服を手に取り、質感を確かめ、試着できる。店員との会話から新しい発見が生まれることもある。子連れで訪れる客も多く、店内はいつも賑やかだ。

一方、オンラインの利点は利便性と品揃えだ。営業時間に縛られず、深夜でも早朝でも注文できる。検索機能を使えば、特定のサイズやブランドをすぐに見つけられる。遠方に住む人でもリシュラの商品を手に入れられる。

両者は対立するものではなく、補完関係にある。実店舗で気に入った商品の別サイズをオンラインで注文する。オンラインで見つけた商品を実店舗で確認してから購入する。顧客は自分のライフスタイルに合わせて選べる。

グッドデザイン賞が示す社会的評価

2019年、リシュラの「ループケア」サービスがグッドデザイン賞を受賞した。この賞は単にデザインの美しさを評価するものではない。社会的意義、持続可能性、イノベーションといった多角的な視点から審査される。

受賞理由として挙げられたのは、思い出の服を捨てずに済む仕組みを提供したこと。感情的な価値と環境配慮を両立させたこと。そして、それを実際のビジネスとして成立させたことだ。

この受賞は、リシュラの取り組みが単なる地域ビジネスではなく、全国レベルで注目される価値を持つことを証明した。メディアでの露出も増え、問い合わせが急増した。

グッドデザイン賞を受賞したリメイクサービスのイメージ

地域密着と全国展開の狭間で

リシュラは広島に根を張りながら、全国への展開も視野に入れている。地域密着型ビジネスの強みは、顧客との強い信頼関係だ。顔の見える関係。リピーターが多い。口コミで新規客が訪れる。

しかし、地域限定には成長の限界がある。市場規模は人口に比例する。広島市だけでは拡大に限度がある。そこでオンライン販売を強化し、全国の子育て世帯にアプローチしている。

課題は、地域での信頼をどう全国に伝えるかだ。実店舗のない地域では、ブランドの魅力を体験する機会が限られる。SNSやブログを活用した情報発信、詳細な商品説明、丁寧なカスタマーサポート。こうした地道な努力が信頼構築につながる。

持続可能なファッションの未来像

ファストファッションの時代は終わりつつある。大量生産・大量消費・大量廃棄のモデルは、環境負荷の面でも倫理的な面でも持続不可能だと認識されてきた。

リシュラが体現するのは、もう一つのファッションの在り方だ。長く着られる質の高い服。必要なくなったら次の人へ。修理やリメイクで延命する。思い出として形を変えて残す。

こうしたアプローチは、子ども服だけでなく、ファッション産業全体に応用できる。リシュラの30年間の実践は、持続可能なビジネスモデルの一つの答えを示している。

今後の展開として期待されるのは、他業種とのコラボレーションだ。地域の農家と連携したオーガニックコットンの国内栽培。福祉施設と協力した手作り商品の製作。教育機関との連携による環境教育プログラム。可能性は広がっている。

子育て世代が選ぶ理由

リシュラを選ぶ理由は人それぞれだ。経済的な理由。環境意識。商品の質。しかし、多くの親が共通して語るのは「安心感」だ。

新品ではないが、丁寧に扱われてきた服。次の持ち主を待っている服。そこには前の家族の愛情が感じられる。自分の子どもが着た服が、また誰かの役に立つ。循環の輪の中にいる実感がある。

子育ては不安の連続だ。正解がないからこそ、信頼できる場所や人が必要になる。リシュラは単なる店ではなく、子育てコミュニティの一部として機能している。店員への相談、他の親との情報交換、ワークショップでの交流。そこには支え合いがある。

これからのリシュラが目指すもの

創業から30年以上が経過し、リシュラは新たな段階に入っている。浜口代表が掲げる「思い出づくり」というビジョンは変わらない。しかし、その実現方法は進化し続ける。

デジタル技術の活用も検討されている。服の履歴を記録するデジタルタグ。どんな家族が着て、どんな思い出があったか。次の持ち主に伝えられれば、服の価値はさらに高まる。AI を使ったサイズ推奨機能。オンライン試着システム。技術は手段であり、目的ではない。あくまで顧客体験の向上のために。

地域との連携も深めていく。広島という土地で育ったリシュラだからこそできることがある。地元の織物産業との協業。伝統工芸の職人との商品開発。観光客向けのワークショップ。地域経済への貢献は、企業の社会的責任でもある。

そして何より、次世代への教育だ。子どもたちに、ものを大切にする心を伝える。使い捨てではなく、修理して使い続ける選択肢を教える。自分の手で何かを作る喜びを体験させる。これらは、持続可能な社会を作るための基盤となる。

リシュラの挑戦は続く。子ども服リユースという小さな市場から始まった企業が、今では環境問題、子育て支援、地域活性化といった社会課題に取り組んでいる。30年の歴史は、一つの企業の成長物語であると同時に、持続可能なビジネスの可能性を示す事例でもある。広島から全国へ、そして未来へ。リシュラの思い出づくりは、これからも続いていく。

よくある質問

リシュラで子ども服を売ることはできますか?

はい、可能です。リシュラではサイズアウトした子ども服の買取を行っています。状態が良く、ブランド品であればより高値での買取が期待できます。実店舗への持ち込みのほか、宅配買取サービスも利用できます。事前に公式サイトで買取基準を確認することをお勧めします。

ループケアサービスの料金と納期はどのくらいですか?

ループケアの料金はリメイク内容によって異なります。Tシャツをクッションカバーにする場合で5,000円前後から。複雑なデザインやぬいぐるみへの加工は10,000円以上になることもあります。納期は通常2〜4週間ですが、繁忙期にはさらに時間がかかる場合があります。詳細は問い合わせが必要です。

オンラインショップと実店舗で価格は違いますか?

基本的に価格は同じです。ただし、実店舗限定のセールやオンライン限定のキャンペーンが実施されることがあります。会員登録するとポイントが貯まり、次回購入時に使用できる特典もあります。送料は注文金額によって異なりますが、一定額以上で無料になるサービスもあります。

手作りワークショップは子どもだけでも参加できますか?

ワークショップの種類によって異なります。小学校高学年以上を対象とした子どものみ参加可能なクラスもありますが、多くは親子参加を前提としています。安全面の配慮から、刃物や針を使う内容では保護者の同伴が必須です。各イベントの詳細は公式サイトまたは店頭で確認できます。

リシュラの商品は海外発送に対応していますか?

現在のところ、海外発送は一部の国にのみ対応しています。送料や関税については購入前に問い合わせが必要です。将来的には対応国を増やす予定とのことですが、詳細な時期は未定です。海外在住で購入を希望する場合は、カスタマーサポートに直接相談することをお勧めします。